漢方薬は、生薬と呼ばれる植物、動物、鉱物を処理配合して作ります。その方法は長年の経験から確立されてきました。例えば、産婦人科でよく使われる、加味道遥散(かみしょうようさん)は、人参、狭、柴胡などL5種類もの生薬が入っており、それらが協力して不眠、イライラ、不安などを良くします。
中国から日本へは、古墳時代の1800年前頃に伝わりました。「傷寒論」という本もこの頃できたものです。その後、宮廷医の丹波康頼が、1200年前頃に、日本最古の医学書「医心方」(30巻)を編集しました。
江戸時代には、蘭方医と漢方医の二本立て体制が続きましたが、漢方医受難の時代が訪れます。富国強兵策の為、明治政府が漢方医学を軽視し西洋医学を重視したのです。その結果、漢方医学は絶滅寸前まで追い込まれました。
しかし、戦後に復権を果たし、現在では148品目が認可され保険適用の漢方薬もあり使いやすくなっています。ちなみに、私は免疫力、体力をつける、補剤の一つである、補中益気湯を服用しています。癌のほか、新型コロナウイルス感染症も軽く済むという話もでました。
がん研有明病院の星野恵津夫氏が、「漢方によるがん治療の軌跡」という本を出しています。参考になるので読んでみて下さい。
月刊ダ・なす 4月号(2025)連載コラム第227回より