腸内細菌と健康
ある種の腸内細菌は免疫力を強くして、癌細胞や細菌、ウィルスなどの増殖を抑えたり、自律神経系の働きを整えたりするなど、人間にとって有益なことが沢山ある、ということは以前書きました。
今回は、2021年12月号の「日本抗加齢医学会雑誌」に載った、腸内細菌に関する情報を紹介します。
京都府丹後地域は人口10万人当たりの百寿者数が全国平均の3倍もある長寿地域です。
京都府立医科大学循環器内科学教室の内藤裕二教授らは、2017年から丹後地域の長寿因子を探査していますが、腸内細菌も関与している事が分かってきました。
丹後地域の高齢者の腸内細菌は、酪酸菌のひとつであるクロストリジウム菌が多かったのです。但し、丹後地域の孫の世代ではその傾向にはなりませんでした。孫の世代はコンビニを利用しているからです。丹後地域の高齢者の食事で特徴的だったのは、海藻、イモ類が多かったことでした。まだ分かりませんが食物繊維が良いのかもしれません。
2014年のマサチューセッツ工科大学の研究で、腸内細菌に影響を及ぼすのは、前日に食べた食物繊維量である事が分かりました。これまでのことはともかく、これからは食物繊維の多い食事をすることが健康上重要です。
私も食物繊維が多くなるよう食事に気を付けていますが、子供たちが帰省して来ると、腸の調子がよくなるようです。