女性ホルモンと健康 その6

 三つの生活習慣病の他に、更年期以降の女性が注意すべき病気に、骨粗鬆症がある事は以前にも書きました。
 骨粗鬆症とは「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されています。
 骨強度は、骨密度と骨質の両方が関与しており、その関与の仕方は、骨密度が70%,骨質が30%と、圧倒的に骨密度の関与が多いので、診断にはX-線で検査した骨密度を使うことになっています。当院ではそれが可能な検査機器を準備しています。
 骨密度は20歳代前半でピークに達し、少しずつ減少します。そして、更年期過ぎに一度急激に減り、閉経後骨粗鬆症になる方もあります。それを見逃さない為に、50歳代で1回、骨塩量を測定しておいた方が安心でしょう。
女性の骨粗鬆症患者の推定率は、60代前半で20%、60代後半で25%、70代前半で40%、70代後半で45%、80歳代では50%と、何と半分の方が骨粗鬆症と考えられていて、患者総数は1280万人もいます。しかし、実際の治療を受けているは、わずか200万人しかなく、必要なのに治療していない患者さんが1千万人もいるという驚くべき現状があります。
 骨粗鬆症は、骨折して、要介護、寝たきりになる事が多い、怖い病気です。そうならない様に直ぐ、信頼性の高い骨塩量検査を受け、必要なら治療すべです。
最近は良い薬もでき、骨塩量を増やし、骨折を予防できるようになりました。その治療のチャンスを逃さないようにしましょう。

2024年10月31日