HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)

ヒトパピローマウイルス感染症とは

 ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

 HPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。

【平成9年度生まれ~平成18年度生まれまでの女性の方へ】
 平成9年度~平成18年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性の中に、通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢の間に接種を逃した方がいらっしゃいます。
 まだ接種を受けていない方に、あらためて、HPVワクチンの接種の機会をご提供しています。
令和5年4月からは、平成18年度生まれ(誕生日が2006年4月2日~2007年4月1日)の女性もキャッチアップ接種の対象になります。

ワクチン接種の効果

 HPVの中には子宮頸がんをおこしやすい種類(型)のものがあり、HPVワクチンは、このうち一部の感染を防ぐことができます。
 現在、日本国内で使用できるワクチンは、防ぐことができるHPVの種類によって、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類あります。
令和5(2023)年4月から、シルガード9も定期接種の対象として、公費で受けられるようになりました。

 サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
 シルガード9は、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。

標準的なワクチン接種スケジュール

 一定の間隔をあけて、同じワクチンを合計2回または3回接種します。接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なります。どのワクチンを接種するかは、予約時に相談してください。
 3種類いずれも、1年以内に規定回数の接種を終えることが望ましいとされています。


HPVワクチンの接種を受ける方へ

接種前に必ず電話でご予約ください。
お住いの市町村から配布された接種券と母子手帳、確認のために保険証をお持ちください。
接種日には、保護者の方とご来院ください。
HPVワクチンの接種を受けた後は、体調に変化がないか十分に注意してください。