女性ホルモンと健康 その5

 更年期は、更年期障害で苦しまない方も、それ以降の人生を、より健康で有意義なものにする為に、絶好のチャンスです。
 つまり、元気な高齢者になるために、症状が何もなくても、更年期の時期に身体のチェックを行って、今後に備えるのです。
 先ず第一番は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のチェックです。勤務している方は職場で行っていることが多いですが、そうでない方は自分から進んで検査を受けましょう。
 血圧は、人前で測ると、高くなりやすいので、家庭血圧を一か月間測定してもらい診断するようにしています。当院では血圧計を貸し出して,記録してもらっています。
 糖尿病は採血して血糖とHbA1cを測定し、必要あれば精密検査になります。
家族歴のある方、太っている方はより注意が必要です。
 脂質異常症は、血液中の悪玉コレステロールと中性脂肪が高くなり、血管を掃除する善玉コレステロールが減る病気です。女性にとって、更年期以降、最も注意すべき生活習慣病は、この脂質異常症です。
女性ホルモンは、悪玉コレステロールを下げる力がありますが、更年期には
女性ホルモンが減り、悪玉コレステロールが増え、脂質異常症になりやすいのです。
 三つの生活習慣病は、何がいけないかというと、動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳梗塞などの、命にかかわる病気に繋がるからです。
しかし、検査して早期発見すればそれを予防できるのです。
ぜひ検査を受けて、異常があったら治療しましょう。

2024年10月31日