女性ホルモンと健康 その1

 ホルモンとは、生体の内外に起こった情報に対応して、体内で特定の器官で合成され、
血液などを介して移動し、効力を発揮する生理学的活性物質で、20世紀初めに命名されました。
 ホルモンといえば、血糖値が上がった時、膵臓から出て血糖値を下げる「インスリン」や、甲状腺から出て代謝を良くする「サイロキシン」などが有名ですが、今回は、女性にとって重要な「女性ホルモン」についてお話しします。
女性ホルモンは、子宮の両側に2個ある卵巣から分泌されます。詳しいメカニズムは不明なのですが、女性ホルモンは9歳ごろから量が増加し始め、10歳から14歳で初潮を迎えます。
卵巣から出る女性ホルモンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類あります。卵子を包んでいる卵胞からは、脳下垂体から出る卵胞刺激ホルモンの 作用で卵胞ホルモンが出て、卵子を成熟させて、排卵に備えます。
脳下垂体から出る黄体化ホルモンが排卵をおこし、排卵した卵子は卵管に取り込まれ、子宮に向かって運ばれ、卵管内で精子と出会って受精します。受精卵は分割しながら子宮に運ばれ、子宮壁にくっつくことを着床と言い、着床して初めて妊娠したことになります。
卵巣の排卵を起こした部位には黄体が出来て、そこから黄体ホルモンが分泌されます。黄体ホルモンの大事な役目の一つは、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすくすることです。
ところが、妊娠しないと厚くなった子宮内膜は不要になるので、はがれて子宮から出てきます。これが月経(生理)です。女性にとって 月一回の出血は大変で、貧血の原因になる事もあります。
さらに、月経の痛みが強い月経困難症や、月経前1週間ぐらい体調が悪くなる月経前緊張症という病気もあります。
しかし、大丈夫です! 中学生でも飲める安全な薬があります。
つらい方は、我慢しないで受診してください!

 

2024年05月24日